有休消化に入るので、退職は翌月末だけど、会社にくるのは1ヶ月以上前に最終日になった。
20年もいたのだ、きっと最終日は涙と拍手喝采に見送られることになるだろうと思っていたが、大変アッサリと終わった。
今まで使い古したパソコンを受付に返すのだが、受付横に『セルフ返却口』なるものが設置されており、誰とも話すことなく、そこにパソコンを置いて紙1枚の申請を書くだけで手続きは終了した。
長年使ってた相棒のパソコンなのに、なんともあっけない別れだった。
20年付き合ってたIDカードも、毎朝挨拶してた守衛のおじさんに返したら「はい、どうもお疲れ様でしたー」と手慣れた感じでカードを取られた。
そして誰からも花束ひとつ贈られることなく、「あっ今日が最終日なんだ?」くらいで見送られ、いま1人バス停のベンチで帰りのバスを待っている。
明日も変わらず、地球は回るんだろうな。
20年いても、終わりはあっという間だし、意外とあっさりとしているんだな・・・。
そんなことを初めて知った、42歳の夏だった。